佐野さん:栄養成長から生殖成長にきりかわって花が咲いて実を結び始めたら3回ぐらい。ですから、15日ぐらい期間を置いて、遅れて花の咲いてくるやつもありますんでね。そこを見計らって行います。 栄養成長のうちは、全く大豆ってやつは、そういう生成エキスの必要、木を元気にする必要無いものですから。それの後、大豆を結実させるために3回ぐらいまきます。だから、合計で8tぐらいの量をまきますね。 下手に化学肥料でやればもう、こんなに楽なことはないですけど、土は傷みますよね。けども、出来た大豆が1番、我々が健康食品として、皆さんに摂っていただくものを、毎日摂っていただくものに、残留分があってはいけないよっていうことですよ。 どうしてもそこまでは乳酸菌でも分解してくれない。どうしても残るだろうと。均質されませんっていうふうに分析を出しても出ますけども。微量の物でも出てはいけないのが我々の考え方なんです。 ですから、今はいろんなところの健康食品っていうか、栄養補助食品っていうメーカーさんが、植物からとった物がいっぱい出ています。この残留農薬が1番問題じゃないでしょう。 坂井:本当にここで作った物は問題ないですね。 佐野さん:はい。だから、土を食べても大丈夫です。 坂井:雑誌と見たことあるんですけど、土食べれるって本当に食べれるんですね。 佐野さん:はい。これに、土壌消毒とかやってたら、絶対に無理だと思いますけどね。 坂井:なるほど。そうしたら、土壌の成分が良いし、微生物もやっぱり違うんですね。 佐野さん:はい。それに、さっきも言いましたように、3回蒔く生成エキスをですね、葉っぱだけに蒔くんじゃなくて、地べたに吸わせるぐらいの量を蒔きますんでね。そうしますと、地温の高い時に微生物の活性が高まってくるってことですね。 どうしても、私達の力の及ばないのは地べたの中なんですよ。ですから、そこにいる微生物が良い状態で存在しているってことが一番の重要じゃないでしょうかね。 人間の腸の中と、この地べたは一緒なんですね。我々が食べた物を消化 して出すだけじゃなくて、そこから血液になる栄養源になる物を吸収してくれるのが腸なんですよね。 その腸が病んでますと、ずっとストレートで栄養も吸収させないまんま、スゥーッと下へ捨てるだけになっちゃいます。 全く地べたの働きと根っこという関係が同じでして、根っこを保護するために土壌微生物ってやつは活躍をしている。我々はトイレに行きたくなったら、トイレに行って、今は水洗で流しちゃいますけど、植物も糞尿をするわけですよ。 坂井:えっ?そうなんですか。 佐野さん:はい。だって生き物ですもん。我々動物は動けますよね?で、我々は人の目もあるからってトイレに行きます。犬でも何でも、うんちしたくなったらそこらで。植物もちゃんと糞尿にあたる物を出す。それは、自分の身体には置いていけない物を根から捨てている んですね。 坂井:知らなかったです。 佐野さん:ここで待っているのが微生物なんです。これがいなかったら根腐れを起こす。だって、自分の植物の身体。身体っていう表現をさしていただきますとね、植物の固体の中に置いてはいけないから捨てるんですよね。捨てた物が根の所からそっちへ運ぶっていうこともできない。そこに、ずっと居続けるのが植物です。 佐野さん:微生物がブアーッといまして、それを全部、今度は処理して食べて、それをビタミンとか成長酵素に変えて、植物が吸って大きくなるわけですよ。 坂井:根っこの周りにそういう物を根っこが出すんで、微生物が食べて、循環するんですね。 佐野さん:はい。これを共生しているんですよ。我々の腸の中でも、善玉菌と悪玉菌といるんですけど、共生関係が ありまして、そういうことを助けてくれてるんです。 土の中でもやっぱりそれが行われている。だから、根腐れが起こるっていうことは、そういう状態でなくなっちゃってるから、根が腐るんですね。自分の要らない物を捨てたのに、処理してくれる人がいないと。 ・・・取材内容はまだありますがここまで・・・ 今回、大豆の作物の事だけを考えて、何年もかけて試行錯誤で大豆の 成長を考えるとどのような土壌が良いのか?を改良した経緯をお話しで聞いた時には、佐野さんの植物の表情、味・成長に関わる真剣な目が、完全無農薬と無肥料の実現につながったのだと感動しました。 |